代表理事からのご挨拶

  この度、代表理事の一人となりました。どうぞよろしくお願いいたします。

  2010年に本学会が発足した当時、「学童保育とは放課後の子どもたちの安全・安心に遊び・生活できるところ(場所)」といった考え方が主流でした。それに対して、「学童保育は場所じゃない、学童(学齢期の児童)を対象とした保育の営みのことだ」と提起し、「保育」だから「教育的機能」を包含しており、目標や計画を持って実践する必要があると主張してきました。今後もこのスタンスから学童保育研究を進めていきたいと考えています。

  代表理事として私は、①学童保育を「放課後」という時間帯の取組だけではなく、学童を対象とした多様な保育、発達・権利保障の取組ととらえ、より広範な研究者・実践者に参加を呼びかけていくこと、②会員による研究活動を活発にするために、「オンライン学童保育研究フォーラム」等の研究活動の活動を充実させること、③日本の学童保育研究の成果を世界に発信するとともに、国際的な学童保育の共同研究に参画し貢献することを、を中心的に推進する役割を担います。

  日本学童保育学会の発展が、日本のみならず世界の子どもたちの保育、発達・権利保障の取組の発展につながります。皆様の本学会への参加と協働を強く呼びかけたいと思いますので、よろしくお願いします。

2024年11月11日  
代表理事 住野 好久  (中国学園大学副学長)

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  私は学童保育の在り方に、社会権の現代的な構造が現れていると理解しています。つまり学童保育は生存権・学習権・労働権を相互に関連づけた領域において成り立つのであり、その現場には日本の人権保障・社会政策の到達点が反映しています。

  日本学童保育学会は、そうした大きな課題を単に政策論の次元で検討するのではなく、実践現場で日々起きている事実をくぐらせて把握するという特色を持っています。それは強みであるとともに、研究として成り立たせる上での困難さを伴うものです。私自身は既に引退間際なのですが、残念ながらその特色に見合う研究論を見出すまでには至りませんでした。代表理事の一人となったことを契機に、もう一度、学童保育研究の課題や方法について考えてみるつもりです。皆様のご協力・ご教示を頂ければ幸いです。

2024年11月11日  
代表理事 宮﨑 隆志  (北海道文教大学教授)

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  この度、3人の代表理事の中の1人を務めさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします。

  この10年あまりはNPО法人学童保育協会の理事長として、福岡県と山口県の放課後児童支援員に認定資格研修や専門研修、事例研修に関わってきて、学童保育の現場の抱える様々な困難さもひしひしと感じてきました。

  たとえば、近年、小学生の「感情コントロールの困難さ」を抱えた子どもが非常に増加しており、学校だけではなく、学童保育の現場でも多くの指導員がその対応に苦慮する事態が生まれてきています。その背後には養育環境からくる不安定なアタッチメントの問題、発達障害ないしは発達凸凹の問題、また、両者の重複の問題も大きく影響しています。

  さらに言えば、このような問題状況は決して一部の子どもたちに生じている問題ではなく、コロナ禍によって子どもの発達に必要不可欠な生活(活動と人間関係)が奪われていくなかで一層深刻化してきており、そこには子どもたちの発達(development)の危機の問題があると言えるでしょう。それだけに、その危機の内実をしっかりと捉え、学校と学童保育が協働しつつ、子どもの発達権を保障していく生活世界を子どもたちと一緒に創造していくことが大きな実践課題となっています。

  これからの学会の研究活動の中でも、皆さんと一緒にこのテーマを引き続き検討していきたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。

2024年11月11日   
代表理事 楠 凡之  (北九州市立大学教授)

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日本学童保育学会事務局      
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